セルチャー豊胸のよくある質問に、美容外科医 大橋昌敬が回答します。
臨床症例はある?
大橋ドクターの解説
『Serial Injections of Cryopreserved Fat at -196℃ for Tissue Rejuvenation,Scar Treatment,and Volume Augmentation(凍結脂肪を用いた豊胸や若返り術に関して)』
2019.7.20「第6回中国脂肪学学会・第4回国際形成外科サミット」にて発表。
セルチャー豊胸とは?
大橋ドクターの解説
幹細胞は、生理学的代謝回転、過形成および脂肪組織の萎縮、ならびに傷害後の修復などの偶発的なリモデリングにおいて重要な役割を果たす。
- まず豊胸手術に先立ち、幹細胞の培養に必要な脂肪を採取します。この時採取するのはわずか20cc。量にして大さじ1杯程度とごく少量なので、ダウンタイムの心配はありません(施術時間は15分程度)。
- 採取した脂肪から幹細胞を抽出して、これを約1ヵ月間培養します。培養によって、幹細胞の量は約7.5倍(数にして約1,000万個)に達します。なお、培養した幹細胞は分割して凍結保存することも可能です。脂肪を複数回に分けて注入する必要があっても、その都度幹細胞を添加できます。
- 再度ご来院いただき、豊胸手術を実施します。まず、バストに注入するための脂肪を採取させていただき、これをコンデンスリッチ豊胸と同じ要領で加工。これに培養した幹細胞を付加して、バストに注入します(施術時間は2時間半程度)。
- 手術後、麻酔が覚めたらご帰宅いただけます。
乳房再建について
これまで乳房再建はシリコンバッグなどの豊胸インプラント(人工乳腺)によるものや、お尻やお腹の組織を移植する皮弁法がメジャーでした。しかし2019年現在、脂肪注入による乳房再建も臨床例が増えてきました。中には、豊胸インプラントでの再建後に変形したバストの調整や、皮弁法後の形の修正に脂肪注入を用いているというケースもあります。
再建乳房の輪郭変形を改善するために脂肪注入を受けた37人の患者の10年間について、研究発表が成された。
出典元:「再建乳房の輪郭変形を矯正するための脂肪注入」
こうした脂肪注入豊胸による乳房再建の広まりは、豊胸インプラントによる乳房再建の経年劣化・変形リスクや、皮弁法による乳房再建の不自然な仕上がりの可能性があるかぎり、今後も勢いを増していくでしょう。
しかしその一方で、定着率が悪い・複数回の施術が必要などの課題もあります。たとえば乳房を全摘出した場合、胸の組織が減っているため一度の手術で定着する脂肪の量は限られてしまいます。完全に元のバストのような状態に戻すには、3回ほど手術を行う必要があるのです。
そこで再生医療の培養脂肪幹細胞付加脂肪注入(セルチャー豊胸)が今、注目されています。幹細胞の力で定着率を高めることができ、さらに複数回の手術に使用する量の幹細胞を一度の脂肪採取(20ml)で用意することが可能なのです。
お身体の負担を最小限に抑えたい、より自然なバストに仕上げたいとお考えの方に適しています。
非培養幹細胞豊胸(SVF豊胸)との違いは?
大橋ドクターの解説
なぜ再生医療に位置付けられるの?
大橋ドクターの解説
- 細胞加工物を用いるもの
セルチャー豊胸はこれら二つを満たしています。