ヒアルロン酸豊胸とは?|バスト医療・形成外科医 大橋昌敬医師が教える失敗しない豊胸手術ガイド

ヒアルロン酸豊胸

ヒアルロン酸豊胸のよくある質問に、美容外科医 大橋昌敬が回答します。

メリット・デメリットは?

メリットは手軽なこと、デメリットは硬い胸に仕上がることなどです。

大橋ドクターの解説

ヒアルロン酸豊胸のメリット

ヒアルロン酸豊胸のメリットヒアルロン酸豊胸の痛みが少ないのは確かです。シリコンバッグ・脂肪注入と比較して一番、術後がラクだと思います。術後1週間もあれば通常通りの生活が送れるでしょう。私は女性ではないので、豊胸手術の経験はありませんが、多くの方を診察してきてそう感じます。豊胸手術を検討される女性の中には、通学やお仕事の関係で長期の休みを確保できない方も多いですから、こうした方たちにとって術後の痛みが少ないということは、手術の後押しになるのかもしれません。
吸収されるのもそうです。もし仕上がりが気に入らなかったとしても、いずれ吸収されて元に戻るのであればまだ被害は少なくて済みます。シリコンバッグ豊胸では、元の胸に戻すにはバッグを除去する必要があります。
傷跡の軽さという点でも、ヒアルロン酸豊胸は有利です。ヒアルロン酸は細長い管で注入するだけなのでほとんど傷跡の心配はいりません。一方シリコンバッグ 豊胸の場合は、胸の下・乳輪・脇の下のいずれかに傷跡が残ります。脂肪注入豊胸では脂肪吸引をする必要がありますから、それに伴うダウンタイムは避けられませんし、小さいとは言え吸引管を挿入する部分には傷跡が残ります。

ヒアルロン酸豊胸のデメリット

ヒアルロン酸豊胸のデメリットいずれ吸収されるというメリットがあるとお伝えしましたが、逆に言えば効果の持続期間が短いということを意味します。また、大幅なバストアップが難しい、触感が硬いといった点もデメリットです。ひとつずつ順番に解説していきましょう。

▷効果の持続期間が短い
ヒアルロン酸の種類にもよりますが、効果が持続するのは、数ヶ月〜2年程度。長期間バストの大きさを維持したいとお考えなのであれば、繰り返しの注入が必要です。

ヒアルロン酸豊胸のデメリット:大きさは2カップUPが限界▷大きさは2カップUPが限界
ヒアルロン酸豊胸は、多くのクリニックで上限量が定められていて、どんなに多くても片胸に200ccまでです。これは、一度に大量のヒアルロン酸を注入してしまうと、硬い胸に仕上がったり、しこりができたりするリスクが高くなるためです。

 

 

 

 

ヒアルロン酸豊胸のデメリット:触感が想像以上に硬い

▷触感が想像以上に硬い
実際にヒアルロン酸豊胸をされた方のお話を聞いていると、触感の硬さに不満を感じる方が非常に多いです。あまり知られていませんが、顔の施術(涙袋整形や唇の注入)に用いるヒアルロン酸と豊胸に用いるヒアルロン酸は、別物。ヒアルロン酸は柔らかけらば柔らかいほど、粒子が細かく吸収されるスピードが早いので、豊胸では持ちを良くする(吸収速度を遅くする)ために少し硬めのヒアルロン酸を使うのです。

それぞれの豊胸術のメリットとデメリットを理解しよう

ヒアルロン酸豊胸の良いところ・悪いところを紹介しましたが、どんな豊胸術にも必ず、良いところ・悪いところがあります。良いところだけに目を向けるのではなく、悪いところにも目を向けて、その上で納得できる方法を選択することをおすすめします。

豊胸手術のメリットデメリットの比較

シリコンバッグ豊胸を選択される方は大幅なサイズUP(3カップUP以上)を望んでいる方が多く、脂肪注入豊胸を選択される方は、自然な仕上がり(見ためと柔らかさ)を望んでいる方が多いです。ヒアルロン酸豊胸を選択される方は、安さと手軽さを重視しているように思います。

どんなリスクがある?

ヒアルロン酸が合わない体質の場合、しこりになる、感染するなどのリスクがあります。

大橋ドクターの解説

しこりができやすいのは、ヒアルロン酸への拒否反応が強い人

ヒアルロン豊胸で起こる拒否反応ヒアルロン酸が注入されたバストでは、外から入ってきた異物(ヒアルロン酸)を自己組織の膜(被膜)に閉じ込めようとする防御反応が起こります。これが「拒否反応」です。
拒否反応は誰にでも起こる正常な反応なのですが、中にはこの症状が強く出てしまう方もいます。そうなると被膜が厚くなって、悪くすると「しこり」になることがあります。本来体内に吸収されるはずのヒアルロン酸が厚い被膜に閉じ込められ、硬い塊を形成してしまうのです。
こうした危険性は予測できると良いのですが、どういった人に拒否反応が強く出るかは、残念ながら今のところ分かっていません。
また、こうした体質以外に考えられるしこりの原因としては、繰り返しの注入や、粗悪なヒアルロン酸(正規のルートで購入していないもの)の注入などがあります。

ヒアルロン酸豊胸のしこり

しこりが潰れると二次被害、三次被害につながることも

ヒアルロン酸豊胸でしこりができた場合は、絶対に潰してはいけません。
しこりが潰れることで、周囲の正常な組織に炎症が広まってしまい、その結果感染を引き起こすことがあります。
また炎症が広がることで、さらに大きなしこりができるという悪循環に陥ってしまいます。

1カップ大きくするには何cc必要?

片胸およそ100㏄のヒアルロン酸が必要です。

大橋ドクターの解説

豊胸で1カップするのにUPに必要な量

バストを1カップUPさせたいと思ったときに、何をどれだけ注入するかは、豊胸術によって異なります。こちらの表をご参考にしてください。
シリコンバッグ豊胸とヒアルロン酸豊胸は100㏄の注入で1カップUPが基本ですが、脂肪注入豊胸だけは、定着するまでに体に吸収されてしまう分もあるので、150㏄で1カップUPが目安です。

豊胸で1カップUPするのに必要な量

ヒアルロン酸豊胸100㏄の値段は約80万円

都内にある5つのクリニックのヒアルロン酸豊胸の値段をまとめてみました。1㏄あたりの平均は3,895円。これを片胸の1カップUPに必要な、100㏄あたりに直すと38万9500円(約40万円)。両胸の1カップUPに必要な、200㏄に直すと77万9000円(約80万円)になりました。
ただし、中には、別途手術費や麻酔代がかかるクリニックもあるようです。もし、料金のことで不安がある場合には、事前に問い合わせておくことをおすすめします。

ヒアルロン酸豊胸の価格相場

※私が独自に調べたものです。ちなみにEクリニックはTHE CLINIC です(麻酔・術前後の処置費用代込み)。

どんな種類がある?

主流なのは「Hyacorp(ハイアコープ)」ですが、他にもいくつか種類があります。

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豊胸に用いられるヒアルロン酸は3種類

豊胸手術に用いられるヒアルロン酸ですが、ひと昔前までは、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けていた「Macrolane(マクロレーン)」が主流でした。しかし、2016年にGALDERMA社(スウェーデン)が製造・販売をやめてしまったため、その後は、「Macrolane(マクロレーン)」とほとんど同じ成分の「Hyacorp(ハイアコープ)」が多く出回るようになりました。
最近では、ヒアルロン酸の濃度が高い「HAC-40」を用いるクリニックもよく見かけます。

ヒアルロン酸の種類

他はすぐに吸収されてしまうので豊胸手術には向かない

ヒアルロン酸は豊胸手術だけでなく、顔(頬や鼻、涙袋)の整形や、膝の治療にも用いられるので、まだまだ種類があります。
【顔の整形向き】ジュビダームビスタウルトラXC、ジュビダームビスタウルトラプラスXC、レスチレンVital Light
【膝の治療向き】hyalose(ヒアロス)
ただし、これらのヒアルロン酸は豊胸手術には向いていません。理由は、粒子が小さいため、バストに注入するとすぐに吸収されてしまうからです。中には、触感が柔らかいので(ヒアルロン酸は粒子が細かいほど柔らかいです)これらのヒアルロン酸をバストに注入するクリニックもあるようですが、効果が続くのは、せいぜい数日〜1・2ヶ月程度でしょう。

柔らかいバストに仕上がる?

いいえ。消しゴムほどの硬さに仕上がります。

大橋ドクターの解説

豊胸に用いるヒアルロン酸は硬い

顔の整形と豊胸に用いるヒアルロン酸の違いヒアルロン酸豊胸を希望される方の中には、顔の整形で用いるヒアルロン酸をイメージしていて「ヒアルロン酸=柔らかいもの」と勘違いされている方がとても多いです。しかし、豊胸に用いるヒアルロン酸は、顔の整形に用いるヒアルロン酸とは違い、とても硬いもの。効果の持続性を高めるために、粒子が大きいヒアルロン酸を使っているのです。

まるで消しゴムのよう

私は、その硬さについて、ブログや学会を通して、何度も説明してきましたが、なかなかまく伝わらないものです。「それでもヒアルロン酸豊胸をしたい」と思われる方が後を絶ちません。もちろん、その硬さを理解して納得して受けられているのであれば、それはその方の自由なのですが、そうではない場合は気の毒です。ヒアルロン酸豊胸を受けた後で「想像以上に硬い」「我慢ができないので除去したい」と来院される方が、何人もいらっしゃいます。
こうしたことが起きないために、なんとかうまくこの硬さを伝えたいと、他のドクターの意見も聞きながら考えました(中には「押しても凹まないくらいパンパンにそば殻が詰まった枕」「弾まないゴムボール」と例えたドクターがいました)。結論、私はヒアルロン酸豊胸をした胸の硬さを「消しゴムの硬さ」、とお伝えします。

日本人は胸の組織が薄く硬さが目立つ

元々、バストの組織が厚い方が、ヒアルロン酸豊胸を受けた場合には、ヒアルロン酸の硬さを皮下脂肪や乳腺といったバストの組織でカバーすることができます。しかし、日本人は、バストの組織が薄い方が非常に多いです。ヒアルロン酸の硬さをカバーできないので、ヒアルロン酸の硬さがより一層際立ちます。

ヒアルロン酸豊胸は胸の脂肪量が触感に影響

長持ちさせる方法は?

ヒアルロン酸豊胸で長持ちさせたいのであれば、2〜3年効果が続く「HAC-40」を選択しましょう。

大橋ドクターの解説

高濃度ヒアルロン酸「HAC-40」は比較的長持ちする

最近、取り扱うクリニックが増えてきている「HAC-40」は、高濃度のヒアルロン酸。「Hyacorp(ハイアコープ)」や「Macrolane(マクロレーン)」が1mlに20㎎のヒアルロン酸しか含んでいないのに対し、1mlに40㎎ものヒアルロン酸を含んでいます。効果は2〜3年続くようです。

痛みはどれくらい?

術中の痛みは、麻酔が効いているのでほとんどありません。術後のダウンタイムは筋肉痛のような痛みが1週間続く程度です。

大橋ドクターの解説

術中は麻酔が効くのでほとんど痛くない

当然のことではありますが、豊胸手術は麻酔をしてから進めるものです。術中に痛みを感じることはほとんどありません。ただし、麻酔の管理が適切に行われていない場合、術中に麻酔が切れて、痛みを感じてしまうこともあるようです。もし、こうした点を心配されているのであれば、麻酔科医が在籍するクリニックを選ぶことをおすすめします。実は、美容外科で起こるトラブル(術中の痛みや恐怖・死亡事故など)のほとんどは麻酔が原因です。きちんとした麻酔管理のもとで手術を受ければ、怖い思いをすることもないでしょう。

ヒアルロン酸豊胸の術後は比較的ラク

術後の痛みですが、ヒアルロン酸豊胸の場合は、ほとんどありません。筋肉痛のような痛みが1週間続く程度で、それも内服薬でコントロールできます(中には「内服薬を使わずに乗り切れました」という方もいらっしゃるほどです)。

術後、強い痛みが出た場合は「注入ミス」か「感染」の可能性あり

ヒアルロン酸豊胸の痛みヒアルロン酸豊胸の術後に強い痛みを感じたら、それは注入場所が間違っていっているか、感染を起こしている可能性が高いです。
ヒアルロン酸豊胸の注入場所は、乳腺下を選ぶのが医学的には正しい方法。しかし、中には誤って乳腺内や大胸筋内に注入してしまうドクターがいるようです。この場合、強い痛みが出ます。

また、手術中や手術後、胸にばい菌が入ってしまい炎症が起きた場合にも、強い痛みを感じます。炎症は高熱を伴うケースが多いので、もしこのような症状が生じたら、速やかに手術を受けたクリニックに相談しましょう。抗生剤を処方するなど、何らかの対応をしてもらえるはずです。

失敗するとどうなる?

硬くなる・しこりができる・瘢痕化(はんこんか)するなどの症状が現れます。

大橋ドクターの解説

押しても凹まないほど「硬い」

ヒアルロン酸豊胸で硬くなったバストこれは手術時の失敗というよりは、カウンセリング時の失敗だと言えます。豊胸手術において、医師と患者様が同じ仕上がりイメージを持つことはとても重要です。ですから、事前カウンセリングは、必ずドクターと行いましょう。
そして再三申し上げますが、ヒアルロン酸豊胸で大きくしたバストはとにかく硬いです(消しゴムの硬さ)。もし本当にヒアルロン酸豊胸を行うのであれば、ある程度の硬さは覚悟しなければなりません。

ヒアルロン酸がごろごろ残る「しこり」

ヒアルロン酸豊胸のしこりしこりができてしまう原因の多くは、拒否反応が強く出てしまう(ヒアルロン酸が体に合わない)こと。術前に、ヒアルロン酸が自分の体に合うものなのかどうかを確かめることができれば、この失敗は食い止めることができますが、今のところその手立てはありません。
全員がこのような状態になるわけではないのですが、もしヒアルロン酸豊胸を受けられるのであれば、こうした最悪の事態も想定しておく必要があります。

71人の被験者がヒアルロン酸豊胸を受け、そのうち22人(31%)は9か月後に2度目のヒアルロン酸豊胸を受けた。24ヶ月後、残存ゲルの平均パーセンテージは、前者グループが17%、後者グループが21%であった。

出典元:「ヒアルロン酸豊胸のゲルの安全性と有効性

しこりが悪化する「瘢痕化(はんこんか)」

しこりの状態がひどくなると「瘢痕化(はんこんか)」が起きます。そもそも、自己組織の膜がヒアルロン酸を閉じ込めてしまうことでごろっとしたかたまり(しこり)になるのですが、時間の経過とともにこの膜が線維化(=体の中で組織が異常な形で増殖してしまうこと)してしまうとこのような状態になります。
瘢痕化した自己組織の膜は、バストを切開して摘出する他ありません。当然、バストには傷跡が残ります。

ヒアルロン酸豊胸でできたしこりの瘢痕化

ヒアルロン酸豊胸はバレる?

バレる可能性はあると思います。特にパートナーに触れられたときは、ごまかせないでしょう。

大橋ドクターの解説

ヒアルロ酸豊胸の硬さは素人でもわかる

ヒアルロン酸豊胸の場合も、しこりができて胸がおかしな形に変形してしまうことがあります。さらにその硬さは、美容外科医でなくても異常だと感じるはずです。ごまかせません。
私が診察した中には、パートナーにその硬さを指摘されたという女性がいらっしゃいました。
他のドクターとヒアルロン酸豊胸をしたバストについてディスカッションをしたのですが、「まさにモノという感じ」が満場一致の意見です。触ったときに、凹みもせず、揺れもせず、中に何かが詰まっている。そんな不自然さです。私はその感触を消しゴムのようだと思いました。柔らかいはずのその胸が、もし消しゴムのように硬かったら……。きっとバレてしまうでしょう。

ヒアルロン酸豊胸で不自然な触感や形になったバスト

母乳への影響は?

ありません。豊胸のヒアルロン酸は、母乳に影響が出ない層に注入するものです。

大橋ドクターの解説

ヒアルロン酸を注入するのは母乳に影響がでない乳腺下

ヒアルロン酸豊胸と授乳の関係豊胸でヒアルロン酸を注入するのは乳腺下(乳腺と筋肉の間)。母乳への影響が無い層なので、全く問題ありません。

ただし乳腺炎のリスクは否めない

ヒアルロン酸豊胸に限ったことではありませんが、豊胸手術をしていると、乳腺炎のリスクがやや高くなるでしょう。女性のバストは、妊娠することで、乳腺が急速に発達するのですが、豊胸手術をしていると、乳腺が注入物(シリコンバッグやヒアルロン酸、脂肪)に圧迫されてしまうので、炎症が起きやすい環境に。この点には注意が必要です。
妊娠の予定があるなら、豊胸手術は避けましょう。

乳がん検診は受けられる?

受けられなくはないですが、マンモグラフィーはやめた方が良いでしょう。エコーやMRIでの検診をおすすめします。

大橋ドクターの解説

マンモグラフィーはしこりが潰れてしまう可能性がある

ヒアルロン酸豊胸後の乳がん検診シリコンバッグ豊胸をすると乳がん検診(マンモグラフィー)が受けられない。こんな話を聞いたことがある方も少なくないのではないでしょうか。
これはヒアルロン酸豊胸も同じです。マンモグラフィーはバストを機械に強く挟んで、レントゲンを撮る方法。このときかかる圧力で、ヒアルロン酸のしこりが破裂してしまう可能性があるのです。「しこりができていないなら良いのでは?」と考えられる方もいるかもしれませんが、ヒアルロン酸のしこりは自覚がない場合もあります。「自分では気がついていなかったけど、エコーで確認してみるとしこりがあった」なんてことはざらです。ヒアルロン酸のしこりは潰すと炎症が広がり、さらに大きなしこりになってしまうので、絶対に潰してはいけません。

安全な検診方法は「エコー+MRI」

とは言え、乳がんは早期発見することが大切。ご自身のために何としてでも乳がん検診を受けましょう。
会社の健康診断や地域の乳がん検診などでは、短時間で決まった人数のバストを確認する必要があるため、マンモグラフィーでの乳がん検診がスタンダードです。しかし、実は乳がん検診はエコーやMRIでも受けることができます。この方法であれば、ヒアルロン酸豊胸をしていても安全な乳がん検診が可能です。諦めずに、受け入れてくれる施設を探しましょう。
「どうしても人に言うのが嫌なので、ヒアルロン酸を除去して普通に乳がん検診を受けたい」という方は、ヒアルロン酸豊胸を受けたクリニックにご相談ください。溶解液(ヒアルロニダーゼ)を注入して、溶かしたヒアルロン酸を吸い出すことができます。

乳がんは早期発見が重要

デンスブレストだと乳がんと乳腺の見分けが難しくなるので注意

もうひとつ、ヒアルロン酸豊胸と乳がんのことで覚えておきたいのが、「ヒアルロン酸豊胸をすると乳がんの発見が遅れるリスクがある」ということ。
乳腺が占める割合が高いバストのことを、医学用語で「デンスブレスト」と言うのですが、デンスブレストの方がヒアルロン酸豊胸をすると、乳がんの発見が遅れるリスクが高くなってしまいます。実は、乳がんも乳腺も、レントゲン写真には白く写し出されます。デンスブレストの方の場合、この2つの見分けがつきにくく、もともと判別が難しいのですが、そこにヒアルロン酸を注入することで、乳腺が押し上げられてしまう(より全体が白く写し出されてしまう)ので、判別は極めて困難に。見落とされてしまうリスクが高くなるのです。
日本人は欧米の方と比べると、デンスブレストの割合が高く「50歳以下の約8割近くがデンスブレストだ」という報告もありますので、他人ごとではありません。必ず覚えておきましょう。

デンスブレストのバスト

禁止している国がある?

フランスとアメリカではヒアルロン酸豊胸が、禁止されています。

大橋ドクターの解説

フランスでは【乳がん検診の妨げになるので禁止】

ヒアルロン酸豊胸をすると、乳腺がヒアルロン酸に押し上げられます。こうなると、レントゲン写真で、乳がんと乳腺を見分けることが難しくなってしまうので(乳がんも乳腺も同じように白く写し出されます)、フランスではヒアルロン酸豊胸が禁止されています。

アメリカでは【安全性が確認されていないので禁止】

アメリカでは、ヒアルロン酸だけではなく、豊胸を目的とした充填剤(ヒアルロン酸やアクアフィリング、アクアリフトなど)全ての注入が認められていません。充填剤に含まれる成分(ポリアクリルアミドゲル 、液体シリコン、パラフィン等)が、慢性炎症・異物性肉芽腫・皮膚潰瘍などを引き起こす事実が確認されているため、米国食品医薬品局(FDA)が危険だと判断しているのです。

ヒアルロン酸豊胸がOKなのはアジア圏だけ

日本では当たり前のようにヒアルロン酸豊胸が行われているので、フランスやアメリカにおけるヒアルロン酸豊胸の扱いに驚いた方もいらっしゃるかもしれませんが、世界的にみると、ヒアルロン酸豊胸を行っているのは、日本と韓国、中国といったアジア圏くらい。
世界的には、ヒアルロン酸豊胸はメジャーとは呼べないものなのです。

ヒアルロン酸豊胸に関する各国の見解

痩せ型でバッグが嫌ならヒアルロン酸豊胸?

いいえ。痩せ型の方であっても脂肪注入豊胸が受けられます。

大橋ドクターの解説

「痩せ型はバッグorヒアルロン酸」という考えは間違い

まず、痩せ型の方であってもほとんどの場合、脂肪注入豊胸ができます。私は、BMI:13の方(153cm, 32kg /20代女性)が脂肪注入豊胸を受けた症例を知っています。それがこちらです※2

痩せ型の脂肪注入豊胸の例
確かに、痩せ型の方が、脂肪注入豊胸ですごく大きなバストを手に入れることは難しいのですが、自然にふっくらとした胸に仕上げることはできます。もし「本当は脂肪注入豊胸が受けたいけど、痩せているから無理」と諦められているのであれば、そんなことはありませんので、ぜひ希望をお持ちください。

ヒアルロン酸豊胸の一歩手前で立ち止まった方の症例

実際に私が診察した方をご紹介しましょう。こちらの女性はシリコンバッグ豊胸をされています。バッグのぺこぺことした感じが皮膚に伝わり、非常に嫌だということで、除去を希望されました。同時に、小さなバストにも戻りたくないので、胸が大きくできる他の方法を探しておられました。

シリコンバッグ豊胸で不自然になったバスト

ただ、BMI:19と痩せ型で、脂肪が足りないため、他のドクターからは、ヒアルロン酸豊胸をすすめられていたと言います。
そんな折に私の元にいらっしゃったのですが、私はこの型の脂肪採取は十分可能だと判断しました。ご本人もヒアルロン酸豊胸よりも脂肪注入豊胸の方が良いとのことでしたので、結局バッグを除去して、脂肪注入豊胸に置き換えることにしたのです。

脂肪注入豊胸後の自然なバスト

こちらがその写真です。
このように、痩せ型の方であっても、脂肪注入豊胸は可能。シリコンバッグ豊胸か、ヒアルロン酸豊胸しか方法がないと諦めるのは、まだ早いですよ。

ヒアルロン酸はがん化する?

「発がんを促進する場合がある」との研究結果が、東京大学の研究チームによって発表されました。

大橋ドクターの解説

東京大学の研究チームが、2019年4月10日、ヒアルロン酸ががんの発症を促進する場合があるとの研究結果を、アメリカの科学史「デベロップメンタル・セル」で発表しました。

高分子量ヒア ルロン酸はがん抑制的に働く善玉分子(ジキル氏)として働く一方、その分解産物である低分 子ヒアルロン酸はがんに促進的に働く悪玉分子(ハイド博士)として機能することが判明しま した。

出典元:「がんの発症・進展におけるヒアルロン酸のジキルとハイド的役割 」東京大学

ヒアルロン酸は絶対にがん化する、というわけではありませんが、健康被害があることは確かでしょう。

先日、「乳がん検診後、脇の痛みと40度の発熱がある。もし、以前受けたヒアルロン酸豊胸が原因なのであれば除去したい」とご希望の患者様を診察しました。

脇の下に不自然な盛り上がりがあり、切開すると大量のヒアルロン酸が流れ出てきました。

炎症を起こしたヒアルロン酸

もし豊胸のヒアルロン酸を注入されていて、違和感がある場合には、早めに医師に相談することをお勧めします。

また、もしこれから豊胸をお考えでしたら、安全性が確認されるまでは他の方法を選択されるのが良いでしょう。